石見銀山遺跡とその文化的景観

登録概要と基本データ

サブタイトル:全世界3分の1の銀を産出した銀鉱山の町

国 / 大陸:日本(島根県) / アジア

種別:文化遺産

登録年:2007年 / 2010年範囲拡大

登録基準:②、③、⑤

キーワード

間歩、鞆ヶ浦(ともがうら)、沖泊(おきどまり)、温泉津、大内氏、神谷寿禎、灰吹法、全世界の3分の1の産出量

世界遺産の紹介

旅人なかむー
「ここが石見銀山かぁ。山の中にひっそりあるのに、世界に銀を送り出してたなんて不思議だね。」

案内人イーサン
「そうなんです。ここは16世紀から世界的に重要な銀の産地でした。採掘に使われた坑道は“間歩(まぶ)”と呼ばれているんですよ。」

旅人なかむー
「間歩って名前がかわいいけど、実際は大変な作業場だったんだろうね。」

案内人イーサン
「ええ。人力で岩を掘り進めて、暗い坑道の中で命がけの作業が続きました。でもその成果は驚くべきもので、最盛期には全世界の銀の3分の1を石見が産出したといわれているんです。」

旅人なかむー
「えぇ!?日本の一つの山が世界の3分の1!?信じられないスケールだ!」

案内人イーサン
「さらに技術革新もありました。“灰吹法”という精錬法です。博多の商人・神谷寿禎が大内氏に伝えた方法で、鉛を使って効率よく銀を取り出せるようになったんです。」

旅人なかむー
「へぇ〜!テクノロジーの進歩が繁栄を後押ししたんだね。」

案内人イーサン
「そうです。そして採れた銀は山を下りて、鞆ヶ浦や沖泊、温泉津といった港から積み出されました。山から港まで一体となった“文化的景観”が評価されているんですよ。」

旅人なかむー
「なるほど!鉱山だけじゃなくて、港や町も含めての世界遺産なんだね。」

案内人イーサン
「はい。しかも石見の銀はヨーロッパまで届き、当時の世界経済を動かしたともいわれています。」

旅人なかむー
「すごい!石見銀山ってまさに“世界とつながる山”だったんだね。」

案内人イーサン
「ただし江戸時代の鎖国政策で海外の新しい技術が入らなくなり、銀の生産は次第に衰えていきました。」

旅人なかむー
「なるほど…。最先端から取り残されちゃったんだ。でもそのおかげで昔の姿が残ったのかな?」

案内人イーサン
「その通りです。今も間歩や町並み、港の跡が残っていて、往時の姿を今に伝えています。」

旅人なかむー
「そう聞くと、静かな山道や古い町並みも、ただの田舎じゃなくて世界を動かした証なんだって感じるね。」

案内人イーサン
「ええ。だからこそ石見銀山は、自然と人間の営みが一体となって築いた“文化的景観”として高く評価されているんです。」

旅人なかむー
「なるほど!これは検定でもしっかり押さえておきたいね!」

対策ポイント

  • 間歩:銀を採掘した坑道
  • 銀の積出港:鞆ヶ浦・沖泊・温泉津
  • 博多の神谷寿禎が灰吹法を伝える
  • 世界の銀の約3分の1を産出した
  • 鎖国で海外技術が入らず、伝統的な鉱山遺構が保存された
  • 鉱山と港を結ぶ“文化的景観”として評価

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